『税金で買った本2』は、市民の善意、寄贈書問題と絵本の読み聞かせ。そして石平くんのヤンキー仲間が再び悪の道に引きずり込もうとするが…。
『税金で買った本2』あらすじ
ヤンキー高校生の石平は、本で調べることが楽しくなり図書館でアルバイトをはじめた。しかし、仲間たちから図書館通いをバカにされ「好きで通ってるわけじゃねーし」と虚勢を張る。
するとそこに職員の白井が通りかかり、そんな石平の姿を笑い飛ばす。
オタクだろうがヤンキーだろうが、人の顔色みて本音と違うことやらされてるのは違うよ
その後、ヤンキー仲間の灰原が図書館にやってきて二人は対決するのだが…。
本の寄贈はニシンのパイ
職員の今村さんは寄贈希望の本を断ることができず、膨大な寄贈本のストックを抱えてしまうことに…。
図書館では寄贈本を仕分け、ラベル貼り、分類、データ入力…。という膨大な作業が必要となります。「良かれと思って」と寄贈した本が迷惑になることも。
善意だと思って送ったものが、時には『魔女の宅急便』のニシンのパイになってしまうんですね。
私も、過去、推しのCDや図書館に文庫本(単行本しか所蔵がないから)を寄贈したことがあります。その時は「図書館で活用するかわかりません。それでもよければ」と条件付きでした。
自治体や図書館によって寄贈のシステムも違うので、漫画のように問い合わせをした方がいいでしょうね。私も今後は、むやみに寄贈しないようにします…。
児童図書はイベントだらけ
児童書担当の朝野さんに押し切られ、絵本の読み聞かせをすることになった石平くん。児童書の教訓は無視し、面白そうな『三びきのやぎのがらがらどん』で子どもたちの心を掴みます。
そういえば、児童書コーナーって季節のディスプレイとか読み聞かせとか、紙芝居上演とかイベントだらけなんですね。で、ほぼボランティア。
自治体のみなさん、余計なことに使う予算があったら、図書館員の給料あげてください…。
ルールに縛られるヤンキー社会
灰原と対峙した石平くんは、今度は自分の気持をちゃんと伝えます。
(ヤンキーの)世界は暗黙のルールがやたらあって 全然自由じゃねえなって
見栄とか維持とか、脱いだほうが身軽で「自由」なんじゃねーかって
これ、真理だな。確かに、どこにでもルールはあるけれど、自分の気持に正直になれる場所が「自由」なんだよね。
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