『回転銀河6』海野つなみ

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回転銀河6』では残酷で美しい天野兄弟の兄・優と、マイペースで中立的な和倉。ふたりの感情にもいよいよ決着が…。

著:海野つなみ
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『回転銀河6』あらすじ

逆回転

和倉の気持ちをコントロールし、自分を好きになるよう仕向ける優。優の術中にはまってしまう和倉。
このまま優の支配下に落ちていくのか…


と思いきや、さすがミス・ニュートラル和倉ちゃん。

自分が優を好きな思いと、優の感情の違いを素直に受け止めることで気持に(勝手に)決着をつけてしまった。
孤独に回っていた優の歯車が和倉によって「カチリ」とはまり、逆回転を始める。でもまだ優はそのことを認められないのですが。。

優を美しく精巧な歯車ににたとえた絵が好きです。

ごしきひわ

優の彼女・江梨奈ちゃんのお話。名門女子高に通うお嬢様である江梨奈は、冷たくなった優に必死ですがりつこうとします。


最初、「わがままなお嬢さん」という印象だった江梨奈ちゃん。でも、江梨奈ちゃん側の視点からみたら、当たり前だけど彼女にもにつらさや切なさがあるわけです。

海野つなみ先生は、『回転銀河5』で天野兄弟につきまとっていた松崎や、今回の江梨奈ちゃんのように脇のキャラクターでも単純な設定にしていません。

彼らの視点からの悩みや生き方を示してくれます。それが、「回転銀河」の他にはない魅力の一つであると思うのです。

龍の鱗

和倉ちゃんは本当にすごい。恋なんて余計な感情のかたまりのような現象も、彼女にかかれば「そういうもの」として受け止められてしまう。

だから、ゆるがない。しかもその上で優の孤独な感情を受け止めようとするんです。
でもプライドのかたまりの優はそれを認めたがらない。

それぞれの答え

あぁもうじれったい。
でも、和倉ちゃんはいちど決めたらゆるがないので、そんなペースに優もどんどん巻き込まれていく。

最後はしぶしぶながら優も和倉ちゃんとつながることで、変わってゆく。

ああ、こういうのっていいな。
和倉ちゃんみたいに片寄りのない目で広い世界を見ようとすれば、世界は回転を初めて今までと違う景色を見ることができるのかもしれない。

メインキャラが卒業することで一応の完結をみた『回転銀河』ですが、恭子や守口、須磨と池上のお話ももう少し読みたかったな。外伝ということで続かないだろうか。

  • 回転銀河1…姉と弟の恋愛、親友への恋
  • 回転銀河2…嫌われてもめげないお調子者の本気と、悪魔のように美しい双子登場
  • 回転銀河3…中立な視点を持つ女子・和倉と彼女に興味を持つ双子たち
  • 回転銀河4…生徒に恋する教師、血の繋がらない父と娘の恋
  • 回転銀河5…モブにも悪役にも物語がある
  • 回転銀河6…愛も友情も主人公もモブも。回転しながら繋がってゆく

海野つなみ作品感想

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