『烏は主を選ばない4』松崎夏未,阿部智里

狩衣 ファンタジー
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烏は主を選ばない4』いよいよここから、前作『烏に単は似合わない』の登場人物や出来事とリンクして、原作を見据えたオリジナルシーンも満載。

ますます面白くなってきました。

著:松崎夏未, その他:阿部智里
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『烏は主を選ばない4』あらすじ

若宮の命を狙った射手を探すため、若宮と雪哉は端午の儀式が行われる桜花宮へ。

そこには、若宮のお后候補として登殿した四人の美しい姫たちがいた。その直後、若宮の陰謀で桜花宮に置き去りにされる雪哉。

若宮の大敵・大紫の御前に呼び出されるものの、雪哉はそこで「射手」を見つけ出した。

一方、若宮に敵対する兄・長束陣営でも穏健派と強硬派に分裂し、穏健派の敦房は若宮のもとを訪れ、協力を申し出る。果たして彼は信頼できるのか?若宮・長束の後継者争いの行方は…?

オリジナル幕間

毎回、松崎先生による「原作には描かれていない展開」がすばらしいのですが、今回もオリジナルの休息風景が描かれています。

「端午」と「七夕」の間に若宮と雪哉と澄尾で街に遊びに行くというもの。

しかし、ただ遊んでいるのを描いているわけではありません。『烏に単は似合わない』で重要なキーワードである芝居「烏太夫」についての別解釈や、中央の街の様子など見どころがたくさん。

細かいところでは「湖で水蛇に引かせる舟遊び」の描写があったり、街では綺羅絵に描かれた山内衆がアイドル扱いで澄尾さんが困っていたり。

原作の記述をモチーフに活かした描写がファン心をくすぐります。

そして、山内の不要不急、市柳先輩も登場。松崎先生による市柳スタイルは毎回楽しみなのですが、今回はページ内になく、残念…。

思っていたら、カバーをはずした見返し部分に!デコトラの装飾のようなキャッチコピーも健在です。

原作を見据えた絶妙な作画(ネタバレ)

今回も、松崎先生の絶妙な展開と作画がすばらしかったです。

中でも、私が思わず「すごい!」と思ったのが桜花宮で雪哉とあせびがすれ違うシーンです。
その前に雪哉の桜花宮での粗相が噂されていて、二人がすれちがった瞬間、

あれは下賤の者だ」とセリフが入ります。

前作『烏に単は似合わない』を読んでいる方ならピンとくるし、ゾッとするシーンなのです。

実はこのセリフ、雪哉だけでなく、あせびのことも指しているんですよね…。

彼女ほど純粋で「下賤」な者はいませんから。

また、34話で若宮が戯れに、雪哉の背を柱に刻みつけるんですが、その十数年後、『追憶の烏』において、雪哉は思い出の詰まった招陽宮を焼き尽くしてしまいます。

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読者はこの後の展開を知っているから、だからこそ、このシーンが一瞬の二人の最も良い瞬間だったのだと、胸を掴まれてしまうのです。

八咫烏シリーズ感想

未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。

第一部

第二部

外伝

幕間(外界視点からの山内)

松崎夏未さんによるコミカライズ

烏に単は似合わない

烏は主を選ばない

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ネタバレ込みのこれまでの考察

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