『烏に単は似合わない2』では、お后選びの舞台、桜花宮の華やかな行事の裏で姫たちの思惑が交錯。
そんな中、あせびと仲の良かった女房の早桃が失踪。しかしこれは、さらなる事件への序章に過ぎず…。

『烏に単は似合わない2』あらすじ
お后選びの渦中とはいえ、他の家の姫たちと交流を持つようになったあせび。しかし肝心の若宮は一度訪れたきり桜花宮に来る気配がない。
端午の節句では、琴を弾くことになったあせび。ふだんは物知らずで彼女を下に見ていた姫たちも瞠目する腕前を披露する。
しかし、相変わらず若宮は姫たちを顧みず、文すらよこさない。
そして月日は流れ七夕。七夕は各姫が自分と若宮の衣を用意する行事だが、あせびと親しい女房・早桃が真赭の薄の着物を盗もうとしたところを見つかる。
あせびと浜木綿がとりなして事なきを得たものの、その後、早桃は行方不明に…。
陰謀と過去の因縁
冬家の白珠は南家の浜木綿を抱き込もうと協定をもちかける。その一方で強引にあせびを桜花宮から退去させようと暴力を振るうこともいとわない。
怖いですね、女の戦い。
そもそも、高貴な女性というのは感情を表に表さないものです。
でも、真赭の薄は若宮が来ないことに子供っぽく癇癪を起こし、白珠はあせびに醜い嫌悪の表情をあらわにする。
この、白珠の光のない目がもうおっかないの。
浜木綿もまた、姫に似合わず豪快に笑い、冷酷な眼差しを向ける。
まあ、その中であせびだけが可愛いんですよ。その意味するところは後でわかるのですが…。
八咫烏シリーズ感想
未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。
第一部
- 『烏に単衣は似合わない』…ゆるふわ世間知らず美少女のシンデレラストーリー?
- Audible『烏に単衣は似合わない』…そりゃこんな声で笑顔で言われたら落ちますよ…
- 『烏は主を選ばない』…ひねくれ小僧と空気読まない若君のバディ誕生
- 『黄金の烏』…人(八咫烏)食い猿がやってきた…!
- 『空棺の烏』…人材育成、和製ハリー・ポッター(魔法なし)
- 『玉依姫』…なんで私が異世界に?
- 『弥栄の烏』…山神さま、ちょっと落ち着いてください…!
第二部
- 『楽園の烏』…地獄のここが楽園だ。ダース・ベイダー雪斎爆誕
- 『追憶の烏』…私はただ、お慰めしたかっただけなのです…!
- 『烏の緑羽』…バブみイケメン成長ゲー
- 『望月の烏』…私、博陸侯のお手伝いをしたいのです!
- 『亡霊の烏』…紫苑VS博陸侯。試合に勝って勝負に負けた博陸侯
外伝
- 『かりんみず』…美味しいかりんみずはいかがですか?藤波さま
- 『さわべりのきじん』…虫を生のまま食おうとすんじゃねえ
- 『きらをきそう』…山内版・北斎の娘と花魁の世界
- 『烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1』…雪哉がセミ食ったりとか
- 『烏百花 白百合の章 八咫烏シリーズ外伝2』…きんかんを煮たりしています
幕間(外界視点からの山内)
松崎夏未さんによるコミカライズ
- 『烏に単は似合わない1』…圧巻の描写と詳細な設定で描かれる八咫烏ワールドの始まり
- 『烏に単は似合わない2』…姫たちの陰謀と思惑が交錯する中、ある事件が起こる
- 『烏に単は似合わない3』…桜花宮で起こった連続殺人。さらに姫の一人が心を病んでしまう
- 『烏に単は似合わない4』…陰謀と殺人の真相。その真犯人は意外な人物だった
- 『烏は主を選ばない1』…絶妙なキャラクターと風景描写
- 『烏は主を選ばない2』…ムチャ振り、刺客の襲来、貧民街への出向
- 『烏は主を選ばない3』…圧巻の谷間描写
- 『烏は主を選ばない4』…「あれは下賤の者だ」の意味
- 『烏は主を選ばない5』…意外な裏切り者と意外な協力者
ファンブック・イベント
- 『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』…ファンブックの電子簡易版
- 『八咫烏シリーズファンブック』…読めばだいたいのことはわかる
- 『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想…鬼畜作家に精神を翻弄される漫画家
- 八咫烏シリーズ展覧会&トークショー2023…眼福だったし阿部先生ファンには菩薩だった
- 漫画版『烏は主を選ばない』3巻刊行記念スペースざっくり聞き書き…計算され尽くしたキャラ設定まじすごい
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