『烏に単は似合わない4』で、とうとう若宮が桜花宮に現れ、これまでの陰謀と殺人の真相を皆に伝える。その真犯人は意外な人物で…。

『烏に単は似合わない4』あらすじ
想い人の一巳が死んだことで精神を病んだ白珠。追い打ちをかけるように南家との盟約もなかったことに。怒った白珠は浜木綿の正体を告発。
彼女こそが卑しい生まれの「烏太夫」だという。浜木綿もそれを認め、若宮の文を奪ったのは自分だと告白し、そのまま桜花宮を去っていった。
それから季節は巡り、ふたたびの春。とうとう桜花宮に若宮がやってきた。これまでの事件の謎解きをするために…。
ここからネタバレ(真犯人について)
私は小説を読んでいるので、当然真犯人を知っています。ただ一人、感情を顕にしない女。そして最初から彼女は言っていたんです。「この人がいい」と。
結末を知っているからこそ、あせびの愛らしくも無垢な姿が余計に恐ろしく思えます。
彼女は、自分を慕う下男には言葉巧みにライバル(姉と真穂の薄)を襲わせ、若宮に恋慕する妹宮・藤浪を焚き付けて早桃を始末させます。
そして、こういうのです。「お可哀想に…」と。
最後、謎解きが終わってあせびの涙するシーン、あの1ページはすごい。美しいあせびの泣く姿、彼女の下には、たくさんの八咫烏たちの屍が敷かれている。
あのページだけで、あせびという姫のすべてを表していますね。
ほんと、女っておっかねえわ。
八咫烏シリーズ感想
未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。
第一部
- 『烏に単衣は似合わない』…ゆるふわ世間知らず美少女のシンデレラストーリー?
- Audible『烏に単衣は似合わない』…そりゃこんな声で笑顔で言われたら落ちますよ…
- 『烏は主を選ばない』…ひねくれ小僧と空気読まない若君のバディ誕生
- 『黄金の烏』…人(八咫烏)食い猿がやってきた…!
- 『空棺の烏』…人材育成、和製ハリー・ポッター(魔法なし)
- 『玉依姫』…なんで私が異世界に?
- 『弥栄の烏』…山神さま、ちょっと落ち着いてください…!
第二部
- 『楽園の烏』…地獄のここが楽園だ。ダース・ベイダー雪斎爆誕
- 『追憶の烏』…私はただ、お慰めしたかっただけなのです…!
- 『烏の緑羽』…バブみイケメン成長ゲー
- 『望月の烏』…私、博陸侯のお手伝いをしたいのです!
- 『亡霊の烏』…紫苑VS博陸侯。試合に勝って勝負に負けた博陸侯
外伝
- 『かりんみず』…美味しいかりんみずはいかがですか?藤波さま
- 『さわべりのきじん』…虫を生のまま食おうとすんじゃねえ
- 『きらをきそう』…山内版・北斎の娘と花魁の世界
- 『烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1』…雪哉がセミ食ったりとか
- 『烏百花 白百合の章 八咫烏シリーズ外伝2』…きんかんを煮たりしています
幕間(外界視点からの山内)
松崎夏未さんによるコミカライズ
- 『烏に単は似合わない1』…圧巻の描写と詳細な設定で描かれる八咫烏ワールドの始まり
- 『烏に単は似合わない2』…姫たちの陰謀と思惑が交錯する中、ある事件が起こる
- 『烏に単は似合わない3』…桜花宮で起こった連続殺人。さらに姫の一人が心を病んでしまう
- 『烏に単は似合わない4』…陰謀と殺人の真相。その真犯人は意外な人物だった
- 『烏は主を選ばない1』…絶妙なキャラクターと風景描写
- 『烏は主を選ばない2』…ムチャ振り、刺客の襲来、貧民街への出向
- 『烏は主を選ばない3』…圧巻の谷間描写
- 『烏は主を選ばない4』…「あれは下賤の者だ」の意味
- 『烏は主を選ばない5』…意外な裏切り者と意外な協力者
ファンブック・イベント
- 『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』…ファンブックの電子簡易版
- 『八咫烏シリーズファンブック』…読めばだいたいのことはわかる
- 『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想…鬼畜作家に精神を翻弄される漫画家
- 八咫烏シリーズ展覧会&トークショー2023…眼福だったし阿部先生ファンには菩薩だった
- 漫画版『烏は主を選ばない』3巻刊行記念スペースざっくり聞き書き…計算され尽くしたキャラ設定まじすごい
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