『懐古的洋食事情 4 血湧き肉躍る料理店』市川ジュン

大正

懐古的洋食事情4 血湧き肉躍る料理店』では、明治初期の洋食から、銀座のパーラーのソーダまで。幅広いメニューが取り上げられています。

著:市川ジュン
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ソーダ水がお好きでしょう(昭和4年)

銀座にある服飾店に勤める夏乃は洋裁の仕事誇りをもっているが、周囲からは結婚をせかされ、とうとう見合いをすることに。仕事か、結婚かで悩む夏乃。

見合い当日、夏乃の服飾店洋服を作りにきた紳士は実は見合い相手・田所だった。仕事を続けるため見合いを断ろうとする夏乃に、田所は「共働き」の提案を持ちかける。


資生堂パーラー
ソーダ・ファウンテン

タイトルにあるのソーダ水は、当時の資生堂パーラーで人気のメニューでした。

当時のソーダ・ファウンテンの機械はいまも資生堂パーラーでみることができます。

台所の伯爵夫人(大正15年)

上宮伯爵・洋人が結婚相手に選んだ女性は、両家の令嬢ではなく「お気に入りの洋食店」の看板娘・「たけを」だった。

議員でもある洋人は変化する時代にあわせた新しい伯爵家をつくるため、「たけを」に伯爵家の台所からの変革を託す。

料理人でもある「たけを」は、昔堅気の使用人や女中頭を相手に次々と新しい料理と改革を断行するが…

花咲ける かすてーら(大正8年)

内務大臣の長女・大日子(おおこ)さんは美食家でほんわりとした性格のお嬢様。

昔なじみの菓子職人、至(いたる)ともいい関係だが、妹・高子の至への思いを知り、お見合いを受けることに。

一方、至は懸案だったカステーラづくりに精をだしていたが、大日子の見合いの話を聞くと…。


畠中恵さんの『アイスクリン強し』でもそうでしたが、菓子職人とお嬢さまというのは、やはり魅かれあうものなのでしょうか。

血湧き肉躍る料理店(明治10年)

深草子爵は家老の息子で執事見習いの小次郎をつれ、洋食店・開花亭を訪れる。小次郎は明るい看板娘・ゆきに恋をするが、実は深草子爵も彼女を狙っていて…


ナイフとフォークの使い方もわからない人が多い時代。フォークをそのまま口に入れてケガをしちゃう人とか、ステーキを切るのに力いれすぎて肉が飛んでいってしまったり。

まさに「血湧き肉躍る料理店」なのです。

トマト―赤茄子―の作法(明治34年)

実業家・岡倉家に嫁入りが決まった和野さん。
花嫁修業を完璧にこなしてきたはずが、嫁ぐ家は洋風スタイルで修行がまったく役に立たない。
ある日花嫁修業で習っていない西洋野菜、トマトを使って料理をつくることになってしまった和野さんの運命は…。


明治は生活スタイルが激変した時代。当時はおっかなびっくり、新しい食事のスタイルも洋風を取り入れつつ、自分の家流にしていったのでしょうね。

ちなみに和野さんは『陽の末裔』で咲久子と恋仲だった喜一の母親だと思われます。

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