サウジアラビアの結婚事情『サトコとナダ 2』ユペチカ

アメリカ

サトコとナダ 2』。最初は習慣や宗教の違いに戸惑っていたサトコ。でも徐々にハラル食やヒジャブなどナダのイスラムスタイルにも慣れてきます。

しかし、ナダにもいよいよ結婚話が

著:ユペチカ, 読み手:西森マリー
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『サトコとナダ 2』あらすじ

日本とサウジアラビア、宗教も文化も全く違う女子ふたりのアメリカでのルームシェア。

アメリカのキャンパスライフやアルバイトにもアメリカ独特のルールがあり驚くサトコ。

留学生はビザがないのでアルバイトも大学構内に限られたり、パンの本場欧米には食パンが売っていなかったり。

小さなカルチャーギャップに驚きながらもアメリカでの学生生活を楽しむサトコとナダ。

しかし、ナダにはまだまだ驚かされることがたくさんあって…。

サウジアラビアの家族事情

でたぞ一夫多妻!『乙嫁語り』でも描かれている通り、ムスリムの一夫多妻は、大奥やハーレムのようなものではなく、女性扶助の役割が強いシステム。

女性が自活する道がなかった昔は、男性が女性を養うことが義務づけられていたのと、大変な家事労働を妻たちで分担できるメリットがあったんですね。

乙嫁語り7』では一夫多妻のペルシャが舞台。しかしその反面、女性同士の結婚「姉妹婚」も容認されていたんだとか。

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そしてなんと、ナダの家も一夫多妻!お父さんの最初の奥さんに子どもができなかったからナダのお母さんと結婚したそう。

イスラム教徒は子どもを多く持つことが重要。なので子どもを産めない女性は、夫が別の女性を娶るのを否めないのか…。

唯一の救いは妻を平等に扱うことになっているから、子どもが産めなくても妻として平等に扱ってもらえること。

これは、昔の日本よりましかな…。(「嫁して三年 子なきは去る」といいますし)

いやでもちょっと待て!愛する夫が他の女と寝るんだぞ。いくら平等でも、みんなそうだからって言われても嫌なもんは嫌だろ。

しかし、夫がいけ好かない場合はいいかもしれない…

女性たちも不自由さについては思うところがあるようで、ナダのお母さんと義母はナダに「広い世界をみて、自分で生きていけるだけの力を身につけなさい。」と言っています。

この言葉には、自分はともかく娘にはそんな不自由さを味あわせたくないという思いがあるように感じます。

サウジアラビアの結婚事情

そして、ナダにもいよいよ結婚話が!

アメリカに住む兄から結婚相手を提示されてしまいます。

※サウジアラビアでは、女性の外国滞在には親族男性の同伴が必要

幸いお相手は結構なイケメンらしく、ナダも好意はもったものの、結婚に対して不安をいだきます。

サウジアラビアの結婚は家長が決めるものであり、娘が勝手に断ることはできないようです。ナダも「両親に迷惑がかかるから」と、不安ながらも結婚話を受け入れようとしています。

ナダの家はお父さんもお兄さんもナダのことを大切に思い、いい相手を探してくれますが、中には女性を労働力、家同士のつながり強化の道具としか思ってない男性もいるでしょう。

そういう望まない結婚を断ることができない、自分で相手をみつけることができないというのは、やはりフェアではないと感じます。

思い悩むナダを気づかい、サトコはナダを誘ってでかけます。何も言わないけれどそばにいてくれる女友達がいれば、きっと大丈夫。がんばれナダ。

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