恋に疲れた女性と、それを包み込む大人の男。『娚(おとこ)の一生 』はエロティックで切ないラブストーリーです。
恋愛『娚(おとこ)の一生 2』
恋に疲れたつぐみは、亡き祖母の家に住み始めた。だが、その家にかつて祖母を慕っていた大学教授・海江田が現れ、なりゆきで同居を始めることに。
海江田はつぐみのことを好きだというが、つぐみにはまだ心に抜けないトゲがあって…。
海江田さんの強引なアプローチと、激甘な優しさが功をそうしてか、2人の距離はだいぶ近づいた感じだったのですが、そんな時、海江田を慕うお嬢様・西園寺真保が現れます。
真保のわがままだが一途な感情にも揺れてしまうつぐみ。そんな時、海江田は「君をひとりにはせえへん」と…。
大人のムズキュン恋愛
あー、もうじれったい!
お互いその気はあるくせに、なかなかくっつかないんですよ。
つぐみは真保とか海江田あての女性からの手紙にもグラついて自信なくすんだけど、海江田さんは時に毒舌を吐きながらも、つぐみの心がほどけるのをやさしく待っていてくれる。
でも、結構イロイロやっちゃったりもするのですが。
しかし以外にもつぐみの両親、親戚連中は海江田との仲を応援していて「おばあちゃんの遺産だと思ってもらっておきなさい!」とつぐみをけしかけます。
あとはつぐみの気持ちひとつなのですが、大人の恋愛は時に高校生以上にじれったい。
つぐみのお母さんの「世間体なんて、世間が食べさせてくれるわけじゃなし、そんなことは関係ないの」というセリフが好きです。
ほんとにそうだ。
海江田の過去と捨てられた子ども
海江田とつぐみの中がギクシャクしている時、家に知らない子どもが隠れていました。遠縁の子らしいけれど、奔放な母親に置き去りにされていたらしい。
海江田は最初、その少年に厳しく接しますが、家出をしたときは本気で心配して抱きしめます。実は海江田さんも親に捨てられ、養母に育てられた経験があるのです。
ようやく、行方不明だった母親が迎えに来た時、海江田は自宅の住所を書いた葉書を渡し、「元気だったら◯を書いてポストに入れろ」と送り出します。
ちなみに「◯を書いて送れ」というのは向田邦子さんのエッセイ「字のないはがき」が元ネタです。
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