大正時代の年の差婚『煙と蜜 第一集』 長蔵ヒロコ

振り袖イメージ 大正ロマン
振り袖イメージ

大正ロマン、アンティーク着物、軍服が好きな方必見の漫画『煙と蜜』。少女と将校のピュアなラブストーリーです。

著:長蔵 ヒロコ
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『煙と蜜 第一集』 あらすじ

大正5年、名古屋。

12歳の姫子には婚約者がいる。婚約者の文治は陸軍将校で年の差は18歳。年の離れた許嫁だけど、姫子は文治を慕い、文治もまた姫子を大切に思っている。

3年後、姫子が15歳になった時、二人は夫婦になることが決まっているのだった。

「年の差婚」という設定

これは大正時代だからこそ、成り立つ設定だと思います。当時は年の差婚も珍しくなかったから。

しかし、政略的な関係を超えて姫子と文治はお互いを尊重しあっています。

12歳といえばまだ、男性を怖がってもおかしくはない年頃ですが、姫子は最初から文治のことを慕っているんですよ。

昔は女性の地位も権利も低く、「幼妻」は子どもを多く産めるメリットと性的対象としか考えない男性が多い中、文治様一人の女性として姫子を扱ってくれています。(それも紳士的に!)

そりゃ好きになっちゃいますよ。

大正時代の暮らしと社会

物語は姫子が暮らす花塚家の様子や、文治の陸軍での様子などを交えながら、二人の恋愛模様が描かれていきます。

花塚家

姫子は帝都(東京)育ちで、現在は母とともに祖父いる名古屋で暮らしています。家には4人のねえや(女中)がいて、テキパキと家事をこなしている姿が楽しそう。

秋刀魚や季節のお惣菜にお月見のお団子作り。当時の炊事はかまどと七輪ですので火の調整も大変です。

龍子を筆頭に女中たちはみな手際よく働き、姫子の積極的にお手伝いをしています。姫子ちゃんの振袖姿に洋風のエプロンをした姿がなんとも愛らしい。

こうした大正時代の家事の様子が丁寧に描写されているところが好きです。生活の雰囲気が伝わってくるので。

また、姫子ちゃんの着物がまたかわいいんです。大正時代らしい大柄で華やかな模様と、まだ*肩上げが残る振袖姿。まさに大正ロマンといった感じなのです。

※肩上げとは、まだ小さい子ども用に着物の肩部分を詰めること

帝国陸軍第三師団

『煙と蜜』では文治が所属する名古屋第三師団の様子も描かれます。文治様はここでも気さくな上官として部下の信頼と人気を集めています。

カタブツの天道少尉、百戦錬磨で無骨な武藤大尉、ちょっとオネエっぽい三ヶ尻中尉など、部下にも個性的な面々が揃っています。

それらの将校と700人の将兵を束ねる大隊長が文治様なのです。

文治様が軍服を着てサーベルをつけるシーンがとにかくかっこいい。ベルトの模様まで詳細に描かれていて思わず見惚れてしまいます。

著:藤田 昌雄
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煙と蜜シリーズ

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