古書店が舞台の物語『本なら売るほど』は本を愛する人々のエピソードが満載。本好きにはたまらない漫画です。
『本なら売るほど』あらすじ
『本なら売るほど』は古本屋十月堂とその客たちの6つの物語。どれも本への愛情が詰まっています。
- 本を葬送(おく)る…亡くなった人の本が捨てられていく悲しさ(ヤシ酒飲み)
- コーヒーに金平糖…亡き夫の残した本の思い出(寺田寅彦全集)
- アヴェ・マリア…本好きの女学生が森茉莉に目覚める(恋人たちの森・貧乏サヴァラン)
- 201号室入居者あり…本のために部屋を借り、男二人で棚を作る(カラマーゾフの兄弟)
- 当世着倒気質…着物女子が読む半七捕物帳を読み、自分の着付けを目指す(半七捕物帳)
- さよなら、青木まり子…書店で尿意を催す由来(本の雑誌)
本好きの琴線を刺激する
『本なら売るほど』は「あるある!」と共感したり、本の扱いに憤ったりと、本好きの心を鷲掴みにする話ばかり。
誰も読まなくなった本(本を葬送(おく)る)
持ち主が亡くなり、本の処分を頼まれた十月堂。書斎には本読みだった故人の人生が詰まっていました。
でも、読まなくなった本は価値がわからない人にとってはゴミでしかなく、明日には捨てられてしまうんです。
切ないお話でした。
誰も読まなくなった本は、いつか誰かが終わらせなきゃならないからね
せめて、少しでも本を愛する人に蔵書がわたりますように。
読書中に話しかけるな(アヴェ・マリア)
本を読んでいる時に「何読んでんの?」と話しかけられると私も不機嫌になります。
この話では、男子は女子のことが好きで、気を引きたいから話すんですけどね。
しかし、だからといって本の世界から、無理やり引き剥がされるのは、迷惑千万な行為なのですよ。私も何度、話しかけた相手に手近な物をぶん投げようとしたことか…!
当世着倒気質
本好き、着物好きにはたまらない話。本の中の着物の描写があると気になって調べたり、想像したりして楽しむの、わかるなあ。
それにしても、八掛けの粋なおばあさま、かっこいいです!
本を粗末にするエセアーティスト(さよなら、青木まり子)
「本屋で尿意を催す現象」の由来って青木まり子さんという人の投稿から来てるんですね。知らなかった。
でも、本を粗末にする場面には、正直はらわたが煮えくり返りました。
せっかく親父さんが好意で安く譲ってくれた本。でも、そのガキは本を粗末な卒業制作に使っていて。
私が美大に通っていた時も、こういうアーティスト気取りの輩はたけれど、こういう連中はほとんど大成しないんですよ。
このガキもきっと、ろくな人生歩まないでしょうからね。ざまあみろ。
『本なら売るほど2』は、読まなきゃ死ねないってぐらい、面白い本にまつわるお話。
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