『書店員 波山個間子』は、ブックアドバイザーの波山さんがお客さまの希望に沿った本を紹介する漫画です。
波山さんの紹介する本と書店での日常が面白くて、何度も読み返しています。

『書店員 波山個間子』あらすじ
人見知りなのに、本に関する知識は膨大、共感力が高くて泣き上戸。ちょっとしたキーワードからお客さんの欲しい本とその在庫までわかってしまう。
部屋は本で溢れているし、本の世界にすぐ入っていける集中力と、共感力に長けている。
しかし、実は人とのコミュニケーションは苦手。波山さん自身も迷ったり悩んだりしながら今日も本とお客さんをつなげている。
等身大な書店員・波山さん
波山さんが語る本がとても魅力的なんです。また、読んだことがある本だと「そうそう!」と、思わず相槌を打ちながら読んだり。
お客さんから「手紙に○とか×とか書く話」と言われた波山さん。たったそれだけで向田邦子の名エッセイ「字のない葉書」を導き出すのはさすがです。

野田知佑の「ゆらゆらユーコン」などの紀行文から、ヘルマン・ヘッセなどの名作まで
紹介する本は多種多様、いろいろなジャンルの本を紹介してくれます。
波山さんは「ビブリア古書堂の事件手帖」の栞子さんのような推理力(と巨乳)はないし、「ガイコツ書店員本田さん」の本田さんのように個性的な職場でもない。
けれど、近くにいそうで、等身大な感じが好きなんです。
波山さんに本を選んでほしい
お客さんとの交流から、今まで敬遠していたヘッセを読むことで、波山さん自身が過去の自分を乗り越える話が描かれます。
ふだんお客様に本を紹介する波山さんが、逆にお客様からきっかけを与えてもらったことに「書店員冥利」だと感じます。
そんなところに、「この人、根っからの本屋さんなんだな」と感動しちゃうんですよ。
波山さんのようなブックアドバイザーに本を選んでもらいたい。それが本好きのわたしの夢だったりします。

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