『古本屋台』は、世にも珍しい古本屋台と、そこに集まる常連客たちの物語。
街の片隅に夜な夜な現れる屋台。その屋台で売るのは、おでんやラーメンではなく、なんと古本。
ああ、私も屋台に行ってみたい、本好きの夢ですね、これ。
ポチップ
『古本屋台』あらすじ
主人公の男が古本屋で噂を聞きつけ、その場所に行ってみる。するとそこには昔通っていた屋台が。親父さんがひとり、商売物の本を読みながら店番をしていた。
男は本を取るふりをして、あるものを探していると、親父さんが「一杯だけね。ウチは飲み屋じゃないんだから。」といって、焼酎のお湯割り(夏はロック)を出してくれるのだった。
古本屋台の親父さんと愉快な客人たち
親父さんは、気に入らない客には「あんたもう帰れよ」追い返したり、時おりバイオリンを弾いたり、昔は役者をかじったこともあるらしい。
あるとき、古本屋台をしばらく姿を見かけず、常連客たちが心配していたら、ひょっこり現れて「別荘地のオーナーに頼まれて、高原で営業してきた。」と言う。
この親父さん、経歴も人脈も謎に包まれています。
古本屋台には、主人公の男の他にも常連客がいて、顔を合わせると会話を楽しむのですが、親父さんからは「なにか買えよ」などと嫌味を言われたりします。
常連客同士で仲良くなって、屋台の出現情報をシェアしあったり、他の居酒屋で飲んだりと、古本屋台のまわりはいつも楽しそうです。
古本をつまみに、一杯の酒を飲む。なんて贅沢な空間なんでしょうか。私もこんな古本屋台、通ってみたいです。
ポチップ
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