『枕草子』を漫画化した『新編 本日もいとをかし!! 枕草子』。「春はあけぼの」といったエモい情景描写もあれば、「こいつウゼえ!」と感じる悪口まで。
千年前も今も、人の感情なんてたいして変わりませんね。
枕草子のキャリア論
女性は結婚して家にいるのが当たり前だった平安時代、清少納言は当時では珍しいキャリア志向でした。「女だって宮仕えして世の中を知るべきよ!」と、かなり声高に描いています。
清少納言は当時としては珍しく、自分の意見をきちんと言える女性でした。
紫式部などは周囲を気にしすぎて「漢字の一も読めませんから…!」と言っているのと真逆なのも面白い。
現代にも通じる恋愛あるある
- 好きな人が来る時、雨の音や風の音にもドキドキ
- 他人の口から自分の恋人(隠している)の名前が出るとドキドキ
これは、現代でも十分通用する恋愛あるあるですね。
他にも、「おしゃれをすれば、なんの予定もないけれど気分がアガる」など、女子の気持ちを的確に表していた清少納言。今だったらインフルエンサーとして活躍していそう。
悪口に噂話
そして、悪口にや噂話もまた、千年前も変わりません。
- やっかみや愚痴ばかりこぼす面倒な女
- ドヤ顔で人の話に出しゃばる女
- 無理やり酒を勧めてくる男
…ほんと、現代にもいますよね、こういう人たち…。まあでも清少納言も噂話や人の悪口は大好きだったそうで『枕草子』にも書かれています。
中には紫式部の夫・藤原宣孝のことを「ダサい」とこき下ろしたりもしています。
こちらは紫式部日記を漫画化したもの。実は陰キャでオタクな紫式部の実態がわかります。
中宮定子と清少納言
大河ドラマにもあったように、一条天皇からの寵愛が深かったけれど、中宮定子の立場は危ういものでした。
けれど、そんな時でも定子は清少納言のことを思い、彼女が好きな「真っ白な紙」や高麗縁の畳が届くのです。
極めつけは何も書かれていない手紙にクチナシの花びらが…。なんて美しく、すてきなやりとりなんでしょうか。
そんな定子との身分を超えた友情は枕草子の中で永遠に輝き続けているのですね。
冲方丁さんの小説『はなとゆめ』でも、そんな中宮定子と清少納言の日々を綴っています。
コメント