『舟を編む 上』雲田はるこ,三浦しをん

舟 お仕事

三浦しをんさんの名作『舟を編む』を、『昭和元禄落語心中』の雲田はるこさんが漫画化。原作を活かしつつ、言葉の世界が魅力的に描かれています。

著:三浦しをん, 著:雲田はるこ
¥792 (2025/06/14 23:03時点 | Amazon調べ)

表紙に描かれているのは辞書編集に使う用例集のカード。

『舟を編む』あらすじ

定年退職を迎える辞書編集者の荒木は、新たな編集者を探していた。部下の西岡から紹介された馬締(まじめ)は几帳面で整理整頓が得意。

そして、言葉を説明するのがとてもうまかった。しかし、この馬締くん、少々変わり者。

「一緒に大渡海(辞書の名前)をやらんか?」という問いに、突然クリスタルキングの「大都会」を歌い出すのだった。

その後、大渡海の編纂に悩むまじめの前に、絶世の美女、香具矢が現れる。大家さんの孫であり板前の彼女に恋をしたまじめは、悩んだ末に長文のラブレターを渡す。

一方、「大渡海」編纂が中止になるという噂をきいた辞書編集部の面々は、それぞれが得意分野を活かして中止を食い止めようとする。

首の皮一枚で「大渡海」編纂は続けられたが、西岡が他部署へ異動になることが決まり…。

著:三浦しをん, 著:雲田はるこ
¥792 (2025/06/14 23:03時点 | Amazon調べ)

漫画ならではの美しい表現

まじめさんや個性豊かな登場人物たちの描写はもちろん、言葉の風景描写がとても美しい漫画でした。

言葉を定義するには、必ず別の言葉を使わなければならない。ひとつバランスが狂うと崩れてしまう微妙な均衡。そんな言葉の塔は、か細い小枝が組み合わされています。

そして、効果音や用語は明朝風の手描きのフォント。これがとても味があって物語の世界にぴったり。

特にラブレターを書いたあとのまじめさんが、かぐやさんを避ける時の「ぴゅ~~~」が最高でした。

まじめとかぐや(と、西岡)

かぐやさんに一目惚れして長い(そして難解なラブレター)を書いたまじめさん。おかげで(?)かぐやさんとは両思いに。

そして、その後のラブシーン!(その結末はおまけの一コマ漫画に…。)

その後のまじめさんの「変化」に気づく西岡くん。西岡くん、まじめさんに負けたくないって思う反面、叶わないとも思っていて。でも、まじめさんは西岡くんがいないとダメだと思っている。

この二人の不器用な友情もすきなんです。

西岡くんと彼女の麗美ちゃんの関係もいいなあ。完全に西岡くんが手のひらで転がされている。というか、包まれている感じ。

著:三浦 しをん
¥660 (2025/06/08 11:55時点 | Amazon調べ)

『舟を編む』は漫画の他、映画やドラマなど多くのメディアミックスが生まれています。それはきっと、原作の世界観が魅力的だからだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました