SNSで気になっていた『丁寧な暮らしをする餓鬼』を読んでみました。
「餓鬼」とは仏教の六道の中の餓鬼道にいる鬼のこと。
しかし、この餓鬼(ガッキー)は、買い物袋を三角に折ったり、梅干しを干したり、スローライフを満喫しています。
作者の塵芥居士(この名前も秀逸)さんも欲望の塊のような餓鬼に、真逆の丁寧な暮らしをさせたら面白いのでは…と思って描き始めたそう。
個性的なキャラクター・餓鬼(ガッキー)
このガッキー、生活能力が高くマイペースに暮らしています。
友だちの牛鬼(ノマドワーカー)がピクニック中に仕事が入っても平気。ホットワインをつくり、自分ひとりで楽しむ術に長けています。
猫のマコチャンも猫可愛がりせず、適度な距離感を保っているのもいい。
しかし、時に丁寧にやりすぎて、失敗することも。猪よけの経文を家に書いたら自分が入れなくなっちゃったり、ものがなかなか捨てられなかったり。
『るきさん』から30年以上、日常系まんがもついに餓鬼道にまで到達したんだな…。
お坊さんによる餓鬼解説
この本には本格的なお坊さん(カレー坊主・吉田 武士氏)による餓鬼や仏教の解説が載っています。
ふつう、餓鬼は物を食べようとすると炎になってしまい飢餓に苦しむものなのだそう。ガッキーが自由にものを食べられるのは日々の善行のおかげ…?
そのほか、私達にもできる餓鬼供養「施餓鬼」についても説明されています。餓鬼に食べ物を与えてお経を唱えると、餓鬼はものを食べられ、与えたものも長生きできるのだとか。
じゃあ、本の購入も施餓鬼になるのかな…?
作者の塵芥居士さん、別名でこんな漫画も描いてるんです。あの世とこの世の境目で謎を解く遊女のお話『あおのたつき』こちらも面白いです。
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