本来、欲深くまわりを顧みず、常に満たされない象徴の餓鬼。でも『丁寧な暮らしをする餓鬼 【弐】』の餓鬼(ガッキー)はちょっと変わっています。
ガッキーは餓鬼の中でも飲み食いのできる上位の餓鬼で、面倒見がよく真面目で家事スキルが高い。
しかし、現代特有の承認欲求からは逃れられない。
ツイッターにごはん写真を上げて「いいね」を喜んでいるところを閻魔大王と仏様に指摘されたりしています。
そんな餓鬼の日常を描いた『丁寧な暮らしをする餓鬼』を読むと、人間界の方が世知辛く見えてしまいます。
面倒見の良い餓鬼
以前(1巻参照)ベルマーク集めで出会った子鬼たち。その後もちょくちょく遊んであげている餓鬼ですが、実は彼らが赤ちゃんの時、すでに出会っていたのです。
子鬼たちの親が夫婦げんかで目を離している時、ちょうど通りがかった餓鬼が赤ちゃんの面倒をみるのですが、餓鬼の家事スキルがすごいし、妖怪や鬼たちにもワンオペ家事で夫婦げんかしたりしてて、なんだかほっこり。
カレー坊主解説
今回も「カレー坊主」こと吉田僧侶による餓鬼の解説があります。
ガッキーは漫画の中でも人助けや功徳を積んでいます。
こっそりお寺の掃除に行ったり、地獄の釜掃除のバイト、はやりのウー○ー○ーツにも挑戦しては、周囲の困りごとをこっそり助けていきます。
ガッキーは自分で功徳を積むことのできる餓鬼ですが、他者のためにする功徳が「回向」。なので、ガッキーは自他両方が喜べるよう日々生活しているんですね。
一方、餓鬼よりも幸せなはずの人間社会は現在、地獄の様相を呈しています。丁寧な暮らしをする餓鬼か、煩悩と苦悩だらけの人間、いったいどちらが幸せなのか…。
餓鬼のお正月準備
大晦日の餓鬼。落とし物のそばの実を使ってそば打ちをする餓鬼。
一方、友だちの牛鬼は大晦日も仕事に追われるワーカホリック。ようやく終わって飼い猫のマコチャン(1巻参照)と餓鬼の家で年越し蕎麦をいただきます。
もてなし得意の餓鬼のお家でのお正月、いいなあ。私も餓鬼の家でお正月を過ごしたい…。
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