『テンジュの国』の舞台は18世紀チベット。医師見習いの少年カン・シバと、彼のもとへお嫁にきた異国の少女ラティとのお話。
チベットの食べ物や薬、風習などが描かれ、絵も丁寧で、人物もかわいらしいです。
『テンジュの国』あらすじ
13歳の医師見習いのカン・シバは薬草が大好きな風変わりな少年。ある日、家に隊商が泊まることになった。
隊商は背負われた異民族の花嫁をつれていた。実はその花嫁はカン・シバの婚約者・モシ・ラティという少女だった。
結婚式はまだ先のため、隊商が戻るまでラティを家で預かることに。
チベットの結婚と風習
かくして薬草ヲタクの少年と、異民族の少女は日々の暮らしの中で徐々に心を交わして家族になっていきます。
異国を舞台に、嫁いできた花嫁と、その地域の文化や風習が描かれるのは森薫さんの『乙嫁語り』が有名です。
『テンジュの国』では文化風習のほか、医師見習いのカン・シバが行うチベットの医療や薬づくりも描かれます。
それにしてもチベットも結婚早い…13歳で婚約って…。それだけ厳しい土地柄だから早く結婚して子供を持たなければならないのかもしれません。
そして、チベットのごはんが美味しそう。家族が囲む食卓の様子はなんだか「アルプスの少女ハイジ」を思い出しました。
薬づくりも丹念にえがかれていて、疲労がたまった患者さんに、カン・シバが黒糖と肉で滋養のあるスープをつくっています。チベットも中国と同じく医食同源の考えがあるようですね。
日本と全く違う風習や習慣を知るのは、旅をしているような気分になります。
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