チベットの暮らしを描いた『テンジュの国』。今回は巡礼や沐浴、放生について。聖地への巡礼
『テンジュの国4』あらすじ
今回のチベット風俗は放生と巡礼と沐浴。偶然、巡礼の一行にであったカン・シバは怪我をした巡礼者を手当する。
膝をいためた巡礼者のためにカン・シバは無理をしないでほしいと思うものの、一生に一度あるかという巡礼をなんとか手助けしようと試みる。
放生と巡礼と沐浴
「放生」とは、よく働いた馬などの家畜を野に放ち、余生を自由にすごさせることで、こうすることで徳を積むチベット武侠の教えです。
放してから戻ってきた家畜はそのまま家で飼ってもいいのだとか。
巡礼は聖地ラサやその先のカイラス山まで「五体投地」と呼ばれる体を地につけて祈りながらすすみます。
- 巡礼中は欲や嘘をついてはいけない
- 川を渡るときは川の幅分、手前で五体投地を行う
など細かいルールが定められています。
チベットにも巡礼を手助けするのも功徳になるという風習があります。日本の八十八ヶ所めぐりと似ていますね。
沐浴は夏に川で行われます。しかし、寒いチベットのことですから夏とはいえ川の水は冷たく、乾燥もしているので年に数回でいいのでしょうね。
この沐浴のタイミングで服を着替えるそうです。
カン・シバとラティの賢者の贈り物
薬草が大好きなカン・シバと染め物や縫い物が好きなラティ。
ふたりとも周りからちょっと変わっている子(でも愛されている)なのですが、お互いのことを思いやり、ラティがカン・シバの薬入れを縫うと、カン・シバはお礼にと染料の紫根をプレゼントします。
おたがいの好きなものがわかっていて、贈り合えるのは、Oヘンリの「賢者の贈り物」を思い出し、ほほえましいです。
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