思いを込めたスープストック『オリオリスープ4』綿貫芳子

スープストック 食べ物

季節の食材と美味しいスープの物語『オリオリスープ』も最終巻。

前回、同僚のビエンさんの仕事を奪う形になってしまい、おまけにビエンさん事務所から姿を消してしまう。

依頼されたデザインもなかなかOKが出ず悶々とする織ヱ。とはいうものの、やはりお腹はすくのです。

著:綿貫芳子
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みぞれ鍋

冬場にだいこんをたっぷりすったみぞれ鍋、美味しいですよね。ここでは鱈を揚げて水菜を添えた鍋がでてきます。

織ヱの働くデザイン事務所・トロポポーズの代表・片桐先生(織ヱの祖父の友人でもある)のもとを訪ねた織ヱの前に行方不明だったビエンさんが…!

ビエンさんはその生い立ちが複雑で、画家である祖父からスパルタ教育を受けていたせいで頑な自分を変えるべく、有給をつかっていろいろやってみてたらしい(ことごとく失敗に終わったが)

とはいえ織ヱの影響からか、ビエンさんも食べ物に関して少しずつ楽しむことができるようになったみたいです。

白菜と肉団子の獅子頭鍋

2月、片桐先生が脳梗塞で倒れてしまう。幸い軽症だが、復帰までの数ヶ月、事務所の仕事を回さなければならない。

大黒柱である先生を失ってそれができるのか…?みなが不安に思う中で織ヱは「ご飯つくりませんか?」とビエンを伴い白菜の鍋を作る。

豚肉と椎茸・れんこんを練り合わせた巨大な肉団子を入れた台湾の料理・獅子頭鍋。みな片桐先生の頭のようだと笑い、鍋を突きながら心もほぐれていきます。

スープストック

先生から大事な仕事を任された織ヱとビエンさん。奇しくもそれは、仲違いをしていたビエンさんの祖父の画集の仕事でした。

紆余曲折の末、仕事をやりとげたふたりでしたが、回復した先生からは「クビ」を言い渡されてしまいます。

それは、もう一人前だってことなんですね。その後ふたりは独立。そして忙しい合間をぬって、ふたりでスープストックづくりを楽しみます。

食べることは生きること。美味しいスープと愛する人がいれば乗り越えていける。読了感のすばらしい漫画でした。

となりの百怪見聞録』は『オリオリスープ』の登場人物、甚八と織座が登場する世界線の異なる怪奇譚。こちらも面白いです。

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