『女の子がいる場所は』は、女性の生きづらさを世界の少女たちの視点で描いた漫画です。ジェンダー差別について考えさせられました。
女性だけでなく、男性にも読んでほしいおすすめの一冊。

サウジアラビアのサルマ
サルマはある時、父親にもう一人妻がいることを知った。
子供ができない第一夫人のアミーラは、夫に第二夫人であるママとの結婚を望んだ。離婚歴があるため再婚が難しいママはそれを「幸福」だという。
でもサルマはこう思った。「ママ、わたしたちは結婚をしないと生きていけないの?」と。
モロッコのハビーバ
おばあちゃんの知り合いのシャマおばさんがやってくる。おばさんはハビーバを見た途端「女の子がメガネなんて男に嫌われる」と否定する。
そのくせ頭の悪い兄には男だというだけで褒めちぎる。
おばさんが滞在する間、不快に思うハビーバ。でも、実はシャマおばさんにはある秘密があって…。
インドのカンティ
カンティは母の再婚相手の義父が家庭教師のアーシャに売春を強要していることを知り憤る。
だが、反抗を試みると、義父からは生意気だと折檻され、母からも「元の貧乏ぐらしに戻るからパパに逆らっちゃだめ」と言われる。
自分の無力さに打ちひしがれるカンティだったが…。
日本のまりえ
まりえは両親が離婚し、母と祖母と暮らしている。祖母はまりえに「女の子は勉強なんてしたら(男に好かれないから)苦労する」という。
パパは、ママが自分より仕事ができることに嫉妬を抑えられない。
離婚したことで、家族は安定したけれどやっぱり少し友達の家族がうらやましい。
アフガニスタンの少女たち
タリバンが去って学校が再開し、はじめて自分のノートと鉛筆をもらった日、彼女たちは将来を夢見る。
しかし今、再びタリバンが彼の地を襲う。彼女たちはどうしているだろうか…。
世界の女の子
『女の子がいる場所は』を通じて、世界で起こっている男女差別について考えさせられます。
日本もそりゃ、男女差別が甚だしいですよ。私なんて「男じゃなかった」と言われ続けましたし。でも、まだ逃げようと思えば差別の場所から逃げ出せる。
でも、世界ではそれができない女の子もいる。宗教など守るべき規範がそもそも女性を区別しているから。それでも、女性たちは抗い続けるのです。
『世界のすごい女子伝記 未来への扉をひらいた、歴史にのこる50人』も、差別に苦しみながらも己の道を貫いた女性たちが美しいイラストで紹介されています。

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