『後宮2』海野つなみ

女流作家イメージ 人間ドラマ
女流作家イメージ

不倫や嫉妬が渦巻く鎌倉時代の愛憎物語『後宮』。ここから主人公の二条は複数の男性と関係を持つことになり、愛欲の地獄へ落ちていくのです…。

『後宮2』あらすじ

主人公の二条は御所様(後深草院)の子を妊娠。宿下がりをしているところへ、初恋の人・西園寺実兼が訪ねてくる。お互いの思いを伝え合ううち、二人は男女の仲に。

やがて二条は皇子を出産。出産後、しばらく里へこもっていると実兼が通ってきた。契りを交わした二人だったが、今度は実兼の子を妊娠してしまう。

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御所様には内密に出産を行う二条と実兼。生まれた子とはすぐに離され、悲しみにくれるが、さらに御所様との間に生まれた若宮が亡くなってしまう。

不倫と出産、御所でのいじめや身内の相次ぐ死に嘆く二条。しかしさらなる地獄が彼女を待ち受けていて…。

昼ドラのような展開

二条は御所様という相手がいるにも関わらず、実兼と不倫関係になります。不幸が続くところへ初恋の相手から好きだと言われたら、思わず気持ちが動いてしまったのでしょう。

ただ、御所様が訪ねてくると、御所様のこともやっぱり好きなんですよね二条は。

しかし、後宮では女院の御方(御所様の正妻)がいじめてくるし、たよりの御所様は浮気の手引を二条にやらせようとする。

おまけに、父親が死んで後ろ盾がないため、後宮での身分が低いままなのも彼女のコンプレックスなんですね。

ちなみに同時期、フビライ・ハーンの蒙古襲来が起こっています。鎌倉幕府が必死で国を守っているのに、二条たち後宮の人々はまったく危機感がありません。

二条に至っては「国よりも若宮を助けてほしかった…」というくらいです。

そんな二条にさらなる不幸が訪れます。鎌倉最凶のヤンデレストーカー、有明の月こと性助入道親王に魅入られてしまうのですが…。

著:後深草院二条, 翻訳:佐々木 和歌子
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