海野つなみさんが描くSFおとぎ話『小煌女』、今回で最終巻です。ちなみにサブタイトルはすべてマザーグースから引用されています。
『小煌女5』あらすじ
『小煌女』の登場人物
- サリー…ベネディクト女学校のメイド
- ジノン(レベッカ)…惑星トアンの王女、次期女王
- セニン…ジノンの侍女
- オナスン…惑星トアンの首相の息子、女好き
- シクサ…オナスンの補佐
神官たちが認めたことでジノンが本当のお姫様だったことが判明し、学園を去ることになった。サリーはジノンに会いに行くもの神官たちに拒まれてしまう。
業を煮やしたサリーは卒業生たちに協力を仰ぎ、なんとかジノンと再会。しかし、彼女は神官たちと地球を去るという。
一方、仲間から危険視されているオナスンとシクサは、地球からの退去命令を受け、ジノンやサリーに近づくことができない。
サリーと再会し、事情を聞いたジノンは、彼らを助けるため神官たちの要求を承諾。神官のニアンとの結婚を決めるのだった…。
小公女からオリジナルへ
物語のラストは怒涛のオリジナル展開です。神官たちの思惑に巻き込まれてジノンは女王になる決心をします。
けれども、諦めきれないオナスンとサリー。シクサもジノンを救おうとします。最後はサリーの驚くべき「とりかえばや」のアイデアでジノンは自由になれました。
『小煌女』は『小公女』のようなイギリスの階級社会や生活の中に、異星人というSFを組み合わせた作品です。
読む前は荒唐無稽に思えた設定でしたが、読んでみると意外とはまっていました。
食べ物でも意外な組み合わせが美味しかったりしますが、『小煌女』はまさにそんな新しい組み合わせの作品でした。
幅広いジャンルを描く海野つなみさんの魅力
私が海野つなみさんを好きな理由の一つに、作品ジャンルの幅の広さがあります。『逃げ恥』連載前からSFやホラー、古典など、さまざまなジャンルを手掛けてきた海野さん。
そのスタンスは『逃げ恥』が当たってからも同じなんです。普通、あれだけ有名な作品を出したら、同じようなジャンルを書きそうですが、ちがうんですよね。
いつも、興味をもち、表現したいジャンルを第一に描いているところが漫画だけじゃなく、漫画家としても好きなんですよ。
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