『後宮5』海野つなみ

女流作家イメージ 歴史
女流作家イメージ

後宮のドロドロ愛憎劇も二条の出家によって一旦の終止符が打たれます。すべての愛欲をすてて、各地を旅する二条。

その後旅先で御所様と再会を果たし…。

著:海野つなみ
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『後宮5』あらすじ

御室の子を出産し、御所様との関係もこじれ、宮中に居場所が亡くなった二条は出家を決意。

出家してからの二条は、侍女の桂と共に全国各地を旅します。小さい頃憧れていた西行法師のように。

旅の途中で将軍家の衣装の指南係を努めたり、仏道修行や和歌制作に力を尽くしたりと充実した日々を過ごします。

でも、和歌仲間にラブレターをもらったりと相変わらずモテてはいる様子。

ある日、参詣に訪れた寺で出家した御所様と出会い、語らう二人。もはや愛欲を捨てた二人は語り明かすのですが、その後、御所様は亡くなります。

二条は御所様の棺をどこまでもどこまでも追いかけていき…。

とはずがたりの誕生

御所様が亡くなった後、御所様の娘の女院(遊義門院)と上皇との恋が描かれ、その後尼となった二条と再会する場面が描かれます。

二条は女院の母である中宮にいじめを受けていましたが、女院とは仲がよかった描写もあり、その後もやりとりが続いたのだとか。

その後、人生を振り返った二条は侍女から「昔のことも書かはったらいかがですか。」と提案されます。こうして後深草院二条の『とはずがたり』が描かれるところで物語は終わりを告げます。

『後宮』の魅力

ここまで二条と男性たちの愛欲を中心に感想を書いてきましたが、実は『後宮』の魅力はそれだけではありません。

後深草院と弟の亀山院との権力闘争とか(後の応仁の乱の原因に)、宮中での事件、その他にもこの時代におきた出来事が書き添えられいます。

扉絵なども、当時の風俗や食べ物が描かれていて、鎌倉時代の様子が伺えます。読み込むほどに魅力が増す『後宮』は海野つなみさんの新たな魅力が詰まった漫画です。

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