男性視点のあしながおじさん『Daddy Long Legs』勝田 文

あしながおじさん 恋愛

あしながおじさん視点からのジュディを描いた『Daddy Long Legs 』。舞台を昭和の日本に移しています。

原作を忠実に追いながらも、男性側の心理や葛藤などが加えられて、すばらしいラブストーリーでした。

著:勝田文
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私は今まで『あしながおじさん』のジャービスさんのことは嫌いでした。ジャービスさんがジュディの恋心をコントロールしているような気がしていたから。

でも、ジャービスさん側から見れば年の離れた後見人が、後見している女の子に恋をするのはいろいろと葛藤があったようです。

そんな男性の視点から描いた『Daddy Long Legs 』おすすめです。

『Daddy Long Legs』あらすじ

昭和初期。大企業の御曹司・千博(ジャービス)は、支援している孤児院である少女が書いた面白い文章に興味を持ち、彼女の後見人として女学校へ入学させる。

その少女・いつき(ジュディ)が後見人から提示された条件は、毎月「あしながおじさん」へ手紙を書くこと。

いつきは持ち前の好奇心と努力で、女学生としての生活にも慣れていく。

同室のさえ(サリー)や千博の銘の純子(ジュリア)とも仲良くなり、学生生活を謳歌しているところへ、正体を隠した千博がいつきの前に現れ…。

すばらしい漫画オリジナルの描写

まずファーストコンタクトは彼女が二年生の時。千博さんは姪・純子に会いに来たという口実でいつきの様子を見に来ます。

偶然にも構内を案内してもらう事に成功。

室生犀星の詩

いつきちゃんが図書館を案内した時、千博さんが口ずさむのが室生犀星の「本」という詩です。

これが物語の情景とぴったりとあっていて、二人の距離を近づけるアイテムとなります。

お互いに文学好きの二人は、自然にお互いを意識していきます。

本をよむならいまだ (中略)紙の花粉は匂いよくたつ

『あしながおじさん』『続あしながおじさん』でも、作中に詩が引用されているので、その影響かもしれません。

でも、情景描写としてこれほどぴったりな詩は原作にもないと思います。

ジュディに振り回されるあしながおじさん

千博さん、さえ兄のことを一方的にライバル視してます。

純子が帽子を買うところをうらやましそうに見ていたいつきに、余分なおこづかいを渡すと「気持ちはありがたいけれど必要以上はいりません。」と断られてしまいます。

彼女の家族にはなれない…と落ち込む千博。

このあたりからもう、いつきちゃんのことを意識しまくりです…。

一方、さえちゃんちへのご招待を許さないで、いつもの農場に行く事を強制。そりゃ、いつきちゃんじゃなくても「おじさまのアホー!」と言いたくなりますよ。

その後、何気ない風を装って農場を尋ねていくんですが内心はいつきちゃんに嫌われているのではとヒヤヒヤ。

「うれしそうな笑顔を見てほっとしてしまった。」もうこのあたりから千博さんがかわいくてしかたありません…。

美しく賢く成長し、自立心がでてきたいつきがアルバイトをしたり給費生(奨学生)になることについても良い顔をしない千博。もうー!過保護すぎだよ、千博さん…

気づいないのは本人たちだけ

ヨーロッパにいってからも、いつきちゃんへ強がりの手紙を送ったり、さえ兄にやきもきしたり。お互いに意識しているのに気づかないのは本人達だけです。

卒業後、いつきちゃんは農場で小説を書きながら過ごしていますが、千博さんから突然のプロポーズを受けます。

でもいつきちゃんは、プロポーズを断ってしまいます。理由はさえ兄の事なんかではなく、身分違いになると判断したからでした。

千博さん、またここでさえ兄のことを勘違い。

最後に、いつきから千博への本当の思いを相談された手紙を受け取り、あしながおじさんといつきは対面することに。千博さん、よほどうれしかったのでしょう。

「ぼくがあしながおじさんだったのがわからなかった?」といった時の、うれしそうな、照れくさそうな顔といったら!

いつきちゃんじゃなくても惚れてしまうでしょう。時代や設定が変わっても「あしながおじさん」は永遠のラブストーリーなのです。

著:ジーン・ウェブスター, 翻訳:岩本正恵
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続あしながおじさん

ジュディの親友・サリーが孤児院の院長になる『続あしながおじさん』

『Daddy Long Legs』でも、いつきが親友・さえちゃん(サリー)に対して「いつか職業婦人になるかも…」とつぶやいています。

続編は現代では差別的な描写が多く、なかなかコミカライズが難しいのですが、孤児院の生活を中心にすればいけるんじゃないかな。

その際はぜひ、勝田文さんに描いていただきたいです。

著:ジーン・ウェブスター, 翻訳:畔柳和代
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