「スピカ」の印税は、すべて東日本大震災の義援金として寄付されるそうです。
羽海野チカさんは、羽海野チカさんが2000年~2004年に発表された短編をあつめた作品集です。なんてかわいい物語なんでしょう!
読むとほっこり幸せな気分になれます。ひとつひとつのお話がキラキラしていて、まるで小さな宝箱のような本です。(装丁も描き下ろしイラストもかわいい!)
『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』は学園モノやBL風、児童書風の子供の冒険譚など、幅広いジャンルのお話があり、改めて羽海野チカさんの世界観の広さを味合わせてもらいました。
スピカ
野球部の高崎は、ぐうぜん転校生・美園と言葉を交わす。そして、彼女がバレエに打ち込んでいること、それを家族からよく思われていないことを知る。
成績が下がるとレギュラーを下ろされる野球部員の勉強会に、同じく成績が下がるとバレエを辞めさせられる美園を誘う。
勉強とレッスンのプレッシャーに押しつぶされそうになる美園。
そんな彼女に高崎は「泣いてもやめられないほど好きなものがあるって、きっとすごいことなんだぜ。」と励ますのだった。
夢に向かって苦しい中、がんばっているふたりが愛おしい。
このふたりは『三月のライオン』のひなちゃんと高橋君の元ネタだそうです。
ミドリの仔犬
キオは母親と妹の3人暮らし。母の仕事を手伝いながら探偵小説にあこがれる男の子。
ある日、帽子を村の金持ちヤスダ家へ帽子を届けにいったところ、あこがれの探偵に出会う。
探偵はヤスダ夫人の犬を探すのを断ったので、キオが代わりに探しにいくことに。世にも珍しい「ミドリ色の仔犬」を探しに、キオは山へ向かい…。
児童向けの冒険小説のような作品で、展開がちょっとした謎解きになっているのも楽しいです。
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